私たち人間は、社会性を獲得する代償として、便秘という宿命を負ってしまった、といえる。
「さて、便意は、しばらく我慢していると、直腸壁の緊張が低下して、便意を消失させることができる。
また、意識的に外肛門括約筋の緊張を強めても排便を抑えることができる。
しかし、このようなことを常に行っていると、普通の直腸圧の増加では便意が起こらなくなり、いわゆる常習性(直腸性)便秘の原因となる」(前掲書)
なるほど、本来、反射運動であるはずの排便が、例えば、朝、時間がないとか、仕事中だからといった理由で便意を無視していると、排便反射が起こらなくなってしまい、ますます便秘気味になるというわけだ。
せっかくの排便反射を在宅でも施設でも、障害老人たちのじつに多くが下剤や浣腸に頼って排便をしているのも、同じ理由である。
介護上の理由から、せっかくの彼らの排便反射を抑制し、消失させてしまったのである。
なにしろ、トイレに行けないというだけで、当然のようにオムツを当てられ、その中に排便するよう強制させられるのだ。